概要
■正式名称:Johan Cruyff Institute: Master in Football Business in partnership with FC Barcelona
■設立年:
1999年 アムステルダムにてJohan Cruyff Academy設立
2000年 バルセロナにてJohan Cruyff Academy設立
2017年 Master in Football Business in partnership with FC Barcelona設立
■運営機関:Barça Innovation Hub
■コース期間:10ヶ月(1月中旬〜3月頭まで、4月中旬〜6月頭までの期間はチームプロジェクトの準備と個人課題のみで教室でのライブ授業はない)
■募集定員:約20名
■授業料:19,990ユーロ
■URL:
・Master in Football Business in partnership with FC Barcelonaの公式ホームページ
・Johan Cruyff Instituteの公式ホームページ
Master in Football Business in partnership with FC Barcelonaの特徴
その1:バルサと提携したサッカー特化型のMBA
Master in Football Business in partnership with FC Barcelonaは2017年に始まった新しいコース。バルサと提携しており、バルセロナ校のみで受講可能。講師陣は基本フットボール関係者で、欧州で働いている方のみならず、北南米や中東、アジアと様々な地域で活躍されている方を招いている。カンプノウ内で授業が実施されることも多く、バルサの試合(サッカー・バスケ)はもちろん、ミュージアム、ラ・マシアや練習施設なども訪問する。フットボールビジネスの一般知識からバルサのビジネス形態まで、英語で学ぶことができる。
その2:オンラインキャンパスを駆使し、座学は少なく、アクティビティ重視
生徒が一堂に会し、授業をキャンパスで受けるのは1ヶ月に1週間ほど(1ヶ月に1モジュール実施)。それ以外はオンラインキャンパスを通し、課題をこなしたり、そこに添付される資料や授業風景のビデオを確認しながら予復習する。そのため、授業期間だけバルセロナに来て、それ以外は自国に戻り、仕事をする生徒も多い。授業時間が圧倒的に他のMBAより少ないため、その分授業スピードが速いと感じることも。予めフットボールやビジネスの一般知識(会計の基本など)を身につけておきたい。
その3:サッカー界での幅広いネットワーク
新しいコースだけあって卒業生同士のネットワークは強いとは思わないが、バルセロナ、アヤックス、クライフファンデーションなど、「クライフ」の名を冠したつながりは強い。World Football Summitなどのスポーツイベントのスポンサーをしたり、新たに企業やスポーツクラブ・組織とパートナーシップを提携しているため、学生もそれに関するイベントに参加可能で、欧州ビッグクラブや主要リーグ関係者と会う機会も多い。
入学情報
■受験資格:
①スポーツビジネスの就労経験ありもしくはスポーツビジネス関連の学位を取得済み
② 英語が上級レベルであること(IELTS6.0以上)
※詳細に関しては大学に問い合わせて要確認
■選考プロセス:
他大学のマスターよりは入学条件・期間・募集人数など融通が効く印象。担当者とこまめに相談しながら必要書類を集め、準備することがスムーズに応募する鍵。
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①プレエントリー
オンライン申込書に記入し、€140の受験料を払う。 -
②必要書類提出
以下の書類を準備・手配する:
・エッセイ×3(1. 国際サッカービジネスに対する見解、2. 自国のサッカービジネスの状況、3. 自国のサッカービジネスにどのように自分が貢献できるか ※それぞれ500文字以内)
・CV
・カバーレター(500文字以内)
・推薦状×2(英文)
・各種書類(大学の卒業証明書、成績表(英文)、英語スコア(IELTS)、個人写真) -
③面接
これまでの経歴、志望動機や目標などの確認。 -
④合格後の手続き
その後は大学や大使館と連絡を取り合いながらビザ発行の手続きへ。大使館のアドバイスを聞きながら大学に頼み電子形態ではなく現物の入学証明書(大学所在地、必須単位数、カリキュラム詳細with時間割・授業時間数・大学の判・代表のサインを記した)を直接日本の実家に送るように依頼した。
コース内容
■概要:
Master in Football Business in partnership with FC Barcelonaは以下のモジュールから構成されている。
Module 01 | INTRODUCTION TO THE FOOTBALL BUSINESS |
Module 02 | HISTORY AND POLITICS OF FOOTBALL |
Module 03 | FOOTBALL GOVERNANCE |
Module 04 | FOOTBALL SOCIOLOGY AND CSR |
Module 05 | THE MANAGEMENT OF A FOOTBALL CLUB |
Module 06 | FOOTBALL FINANCES, FOOTBALL AND REVENUES |
Module 07 | INNOVATION IN FOOTBALL |
Module 08 | FOOTBALL AND MEDIA |
Module 09 | MARKETING, SPONSORSHIP AND FAN ENGAGEMENT |
Module 10 | FC BARCELONA BUSINESS AND OPERATIONS |
Module 11 | MANAGEMENT GAMES 1 (ONLINE) |
Module 12 | MANAGEMENT GAMES 2 (ONLINE) |
Module 13 | FOOTBALL INDUSTRY INSIGHTS SEMINAR SERIES |
■課外授業の訪問先:
・スペイン:バスクツアー(アラベス、レアル・ソシエダ、アスレティック・ビルバオ、Baskonia(バスケットボール))
・スコットランド:レンジャーズ、セルティック
・オランダ:アヤックス
■参加可能なイベント:
・World Football Summit(マドリード)
・Fan Engagement Event:オランダ校の生徒をバルセロナに招待し、ドルトムント・リバプール・バルサの担当者の講演後、チームに分けてのプレゼン大会を実施。
・Barça Sports Tech Symposium
■卒業研究(チームプロジェクト):
1月中旬以降の長期休暇期間と4月頭以降の長期休暇期間にチームプロジェクトを実施する。
前者は1グループ4〜5人でBarça Sports Tech Symposiumの収支改善計画(3月発表)。後者はいくつかの案から選択(6月発表)。
ちなみに2019年度の案は以下の通り:
① 3月のプレゼンでバルサ担当者にて選ばれた案を実施するための計画をクラス全員で作成
②カンプノウ敷地内のサービス拡充案
③実在する欧州2部相当クラブの1部昇格計画
卒業研究の題材は完全なトップダウンではなく、大学側と話し合って選択。初めの選択肢は①と②だけであったが学生内で相談し、③の選択肢を大学側に提案。3月のプレゼンでバルサ担当者に選ばれなかったチームの不満や、ビッグクラブの取り組みではなくより現実的なビジネス環境を想定したプロジェクトにしたいという希望もあり、全員が同じ課題に取り組むのではなく、学生や個人の意見も尊重されつつ決定した。
■卒業研究(個人課題):
初回モジュール終了時に「自分が将来働きたいクラブ」を選択する。このマスターを通し、各モジュールのテーマに沿って毎回そのクラブに関するレポートを書く。最終個人課題はそのクラブについてのまとめレポート(最大2000文字)。
卒業生の今
オンラインも含めると世界中に9500人ほどの現役生・卒業生がいる。就職先はLa Liga、World Football Summit、FC Portoなど。
関連リンク
■クライフ大学Master in Football Business in partnership with FC Barcelona3期生の渡邊宗季さんのnote