長岡知遥さんのプロフィール

長岡知遥(ナガオカ・チハル)
サウスカロライナ大学Master of Science in Sport and Entertainment Management (MSEM)卒業生
登場人物B

横浜出身、神奈川大学人間科学部卒業。大学時代にアメリカンフットボールと出会い、学生トレーナー(Athletic Trainer)としてアメフト部に入部。大学卒業後、オレゴン州立大学に語学留学し、大学院進学を考えるときに、「アメフトが見られるところ」を基準に進路を選び、アメフトが強いのは南部という結論に至り、サウスカロライナ大学Master of Science in Sport and Entertainment Management (MSEM)を選択。
▶︎サウスカロライナ大学Master of Science in Sport and Entertainment Management (MSEM)の紹介記事はこちらへ

※この記事は2021年10月6日にSPORT GLOBALメンバー秋田・辻が実施したインタビューをもとに作成。

長岡知遥さんとのQ&A

大学卒業後、なぜサウスカロライナ大学Master of Science in Sport and Entertainment Management (MSEM)に進学することにしたのですか?
最初のきっかけはアメフトの強いチーム、トップの組織を見たかったからであり、特にサウスイースタンカンファレンス(SEC)に所属する大学に行きたかったのです。しかし、家族との話し合いで、治安・印象等でオレゴン州立大学の語学学校に通うことになりました。オレゴンで生活をしていく中で、やはり南部への興味を消しきれず、最終的にサウスカロライナ大学大学院に進学することを決めました。元々はアスレチックトレーナー(AT)になるためにサウスカロライナに来ましたが、様々な人と話す中でスポーツマネジメントの学部を知り、スポーツ産業が盛んなアメリカでNFL、NBA、 NHLなどの事例と共に組織運営を学べる環境は面白いだろうと感じました。また、サウスカロライナ大学のアスレティックデパートメントは大きく、カレッジスポーツにお金を投資してる大学でもあったため、学生スポーツ、プロスポーツ共に大きな組織の動きやビジネスを学ぶチャンスがあると思いました。

Master of Science in Sport and Entertainment Management (MSEM)のプログラムはどのような内容でしたか?
二年間の修士課程プログラムで、夏学期を履修した場合一年半で完了することができます。卒業単位の36単位(12クラス)のうち、15単位(SPTE701 Sports Management、SPTE730 Sports Law、SPTE760 Sports Marketing、SPTE770 Venue ManagementおよびSPTE790 Sports Finance)は必修科目です。必修科目の内容を見る通り、スポーツを中心にビジネスを総括していくようなプログラムになっていて、特にスポーツマネジメントのクラスでは、実際のスポーツチームオーナーだけでなく、会社経営者の組織運営モデルを例に、様々な角度からリーダーシップ論について知識を深めました。クラスの8割がディスカッションとプレゼンテーションで成り立っていたため、常に活気にあふれた授業の雰囲気でした。また、クラスの人数も7~15人程度で多くなかったので、ほとんどのクラスメートと友達になることができました。学部の名前がスポーツとエンターテイメントとなっていますが、実際8割がスポーツに関する内容であり、クラスのほぼ全員が何かしらのスポーツやチームの大ファンでした。教授方もスポーツとエンターテインメントを愛していて、試合の日は誰かしらがユニフォームを着ていたり、授業前は週末に行われた試合などの話をしたりしていました。最後に6単位分のインターンシップもしくは修士論文がマストになっています。ほとんどのクラスメートが最後の学期にインターンシップを選択し、卒業後の就職に繋げていました。一年目から毎日3〜5通のメールが届き、ローカルチームやNFLやNBAなどのプロチームまで、また、高校生の指導など本当に様々なポジションの求人情報を教えてくれました。積極的な生徒は、一年目から自分の経験のために外部のインターンシップや大学のアスレティックデパートメントでのアルバイトに参加していました。本当に多くのポジションやインターン先があるので、自分次第でかなり良い環境を築けると思います。

私はサウスカロライナの地元のベースボールチームでオペレーションアシスタントとして半年間インターンシップをしました。ブローフィッシュベースボールは、5000人のスタジアムを持ち、CPLという全国からリクルートされた大学生を対象とした夏の野球リーグに所属しています。ここは大きな組織ではない分、本当に様々な経験をさせていただきました。私は主にウェブサイトおよびソーシャルメディアの運営を担当していましたが、それと同時に、チームグッズ販売のマーケティング、会場設備の管理、スポンサー会議への参加など時間の許す限り全ての業務に携わりました。特に、チームオーナーであるビル・シャナハンは地元コミュニティとの関係をとても大切にしており、組織の経営者としての視点のみならず、スポーツと人々との関係について本当に多くのことをかけがえのない経験をさせていただいたと思っています。

現地の生活はいかがですか?
正直言って、サウスカロライナのコロンビアは超田舎です。一番近い都会は車で1時間半離れたところにあるノースカロライナ州のシャーロットです。あとは、ジョージア州のアトランタまで車で3時間くらいです。大事な試合があるときはみんなで車を飛ばして試合を見に行きました。キャンパス周辺に住めば、スーパーも学校内も一応徒歩圏内なのですが、歩いている人は少ないです。車がないと生活はしづらいと思います。私はキャンパス外で友達と住んでいました。治安は良いとは言えませんが、危ない場所に行かなければ問題ありません。1年目に居たオレゴン州のコーバリスという街は日本と同じぐらい安全でした。


卒業後の進路と今後やりたいことについて教えてください。
これはすごく難しい質問なのですが、結果的に、私は日本でコンサルティング会社に就職することを決めました。ビジネスという観点から、私自身の経験を深めるためにも今までとは異なった角度から世界を見たいと思ったからです。現時点で明確な将来像を見ることはできませんが、今までとは違う場所から、どんな形で日本のスポーツ産業に関わることが出来るかを考えながら活動していく未来が楽しみです。
最後に、今後留学したい日本人にメッセージをお願いします。
本場のNFL!カレッジが見たい!そんな気持ちと共にアメリカに来て、勉学に押しつぶされそうな日々でしたが、様々なスポーツファンの友人と最高の週末を過ごせた日はかけがえのない、今日までの、これからの人生のモチベーションです。大好きなアメフトが見せてくれたこの景色をこれからも楽しんで過ごして行きたいと思います。

編集後記:インタビューを終えて

登場人物ASG事務局・秋田

知遥さんの「スキ」を真っ直ぐに追いかけた末にサウスカロライナにいるという話は大変興味深かったです!ステキなお話が聞けました!

毎日更新!SPORT GLOBALの最新情報を
Twitter/Facebookでチェックする