こんにちは!SPORT GLOBALインターン4期生の渡邉夏帆と浜口颯太です。この度二人で海外大学への学部留学に着目した対談企画を行っていきます!

題して『海外大学学部留学のリアル』です!!

今回、私たちが学部留学に関する企画を始める理由は、私たちが現在海外大学に学部留学しているということもありますが、留学は大学院留学だけではない!学部留学の楽しさを伝えたい!などの思いをこの機会に紹介したいと思い、この企画を行っていきます。

渡邉夏帆(ワタナベ・ナツホ)
イギリス・スコットランド エディンバラ大学 スポーツマネジメント学部 4年
女子サッカー部Aチーム所属 ジャパンソサエティ2023-24年度キャリア担当
静岡県の私立高校でIB教育を受け、IBディプロマを利用し高校卒業後すぐに大学入学

登場人物B
浜口颯太(ハマグチ・ソウタ)
イタリア・ローマ ラ・サピエンツァ ローマ大学・国際人文学部 2年
千葉県の私立高校を卒業し、ベネチアのカフォスカリでファウンデーションコースを一年受けた後、現在のサピエンツァ大学に進学

登場人物B
<SG事務局>椙山正弘(スギヤマ・マサヒロ)
マレーシア在住、アジアサッカー連盟(AFC)勤務
スポーツマネジメント博士号(マレーシア大学)
登場人物B

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SPORT GLOBAL Podcast「海外で生きる」 シーズン4&5では、それぞれがより詳しい話をしていますのでご興味のある方は是非!
SPORT GLOBAL Podcast 「海外で生きる」シーズン4
SPORT GLOBAL Podcast 「海外で生きる」シーズン5

大学学部留学の授業

 [マサ]

今回は実際の授業内容について聞いていきます。なつほはスポーツマネジメントを専攻していると思うけど、ざっくり説明して頂いてもいいかな?

 [なつほ]

率直な感想を言いますと、相当幅広く学べています。

実は、正式な学部名がスポーツ&レクリエーションマネジメントなのでレクリエーションの要素、例えばスポーツ観光、スポーツの歴史、スポーツと社会学などビジネスではない分野をスポーツの視点からアプローチする授業もあります。

もちろんスポーツビジネスやスポーツマーケティングの授業も受講し、色々な分野をスポーツという共通項の切り口から勉強出来るので、とても幅広くスポーツに関して勉強ができています。またその中で自分が卒論で何に興味を持ち研究するのか、その選択肢が広くあるのは学部で4年間みっちり勉強できるからこそなのかと思います。

一応「スポーツ」と業界は絞られていますが、意外と幅広い選択肢の中で色々なことができていると感じています。

そしてエディンバラ大学に決めた1つの理由として、大学2年の後期の後半6週間で時に行われるプレイスメントというプログラムの存在がありました。このコースでは、実際にスポーツクラブやスポーツ施設に研究インターンをしに行きます。

私の場合は、あるサッカークラブにてマーケティングに関する研究を行いました。トップチームの集客を増やす戦略を考えるにあたって、既存のサポーターにアンケートをしたり、クラブハウスに近いスポーツ施設に通う人たちにクラブの印象や試合観戦について話を聞いたり、積極的行動して研究していました。実際に経験してみてとても楽しかったですし、スポーツをビジネスの視点で関わる経験ができたのは、とても貴重な機会でした。しかもこれを大学2年生で経験できるのは割と早いなとも思いました。実際1年目は「スポーツビジネスとは何か」、「社会にとってのスポーツの価値とは」のような基礎的な勉強をしていたので、2年生の前期で少し深堀りが始まり、後期には現場を見れるっていうのはすごい刺激的で、面白かったです。

結果としてプレイスメントの機会に魅力を感じてエディンバラに決めてよかったなと思いますし、実際にアカデミックのところから一歩外へ出てイギリスのスポーツ社会を見れたのが面白かったなと思います。

  [マサ]

キャリアを考えるとインターンへの参加はほぼ必須だと思うから、その授業の科目の中に入って強制力が高まることはいいことだと思う。そうなると大学のサポートも期待出来るからね。

 [なつほ]

そうですね。教授や大学側からインターン先の候補など、面談を通して自分がどういったところに行きたいのか相談できました。その中で私はスポーツクラブやサッカークラブを希望していました。

スコットランドで生活している中でサッカーやラグビーなどのスポーツを観戦する機会が沢山あり、イギリスにおけるスポーツの役割を抽象的に肌で感じていた中で、どのように運営しているのか、クラブ自体はどうなのかっていう内部が気になってたので、そこにプレイスメントの機会を利用しました。

また、やはり大学側からのサポートではCVの書き方含め色々と手厚くサポートしていただいたので、インターンをしなければならないという程よい強制力は、大学二年生でまだCVにかける経験が何にもない状態だったので、そこはありがたかったです。

今後もインターンや就職活動でアピールできる経験は当たり前ですけど最初は何も無いので。ゼロをイチにする機会を大学から提供して頂いて、それが大学二年のタイミングであったことが、このコースの総じて良いところかなと思います。

 [マサ]

そうだね。キャリアに関しては1回入ると見えてくるものがすごく広がるし、次のCVにも活かされるし、経験もできるし、話せるしで繋がる。最初は何事も難しいけれど、そこを大学がしっかり強制的に見てくれるのは魅力的だ思う。

もう1つ、スポーツマネジメントの中には特に社会学や政策にも凄く力入れた授業が多いと思うんだけど、その授業はどうかな?

 [なつほ]

去年は前期も後期もスポーツ政策に関する授業があり、振り返ると教授が話してる内容が面白かったです。スポーツ政策で言うと、スポーツを通して何かの社会問題を解決しようする、スポーツの魅力やスポーツが持つ力を大前提に理解してそれを利用して変えていきたいという形で政策が作られ動いていくので、スポーツをどのように使うかを考えているところがとても好きです。しかもある1つの企業がやるのではなく国の政策として、国としてスポーツの魅力がきちんと理解されて使われている点で、やはりこの国らしいな、この国のいいところだなと感じます。加えて、だからこんなにスポーツが根付いているのだなと感じているので、イギリス・スコットランドでスポーツマネジメントの勉強ができて良かったなと思います。

またこれからの私のキャリアにおいて、スポーツを通して何かを変える、ソーシャルインパクトを与えるようなことがしたいと思うようになったきっかけにもなりました。大学に入るときに「スポーツの力ってすごいよな」「それで社会にいいことできないかな」というところでスポーツマネジメントの専攻を決めた部分もあるので、自分が一貫して疑問に感じていた部分に触れられる授業を受けるのはとても面白いです。実際に卒業論文ではこのスポーツの見えない力、この魅力的な力とは何なのかを研究するので、自分としては4年間勉強した最終的な成果物を卒論でスポーツの魅力について深掘りし、今後は自分のキャリアでその力を使って自分なりにスポーツの力を理解した上で社会に貢献していく、この流れは個人的に綺麗に収まるなと思っています。

 [マサ]

スポーツマネジメントと言ってもツーリズムの部分やマーケティングなど色々な分野があるからね。例えば政策は、大きく分けるとスポーツ参加者を増やす部分とエリートの方とかで政策内容も全く違う。

自分の場合、政策自体が思いっきり今の仕事なので、勉強がダイレクトに活かされている。なので、この分野を勉強出来てよかったなと思っているだから、全く予想してなかったけれどある勉強が自分のキャリアに関わるということはあり得るので、ぜひ色々なことを学んでほしいなと思う。

そうたはスポーツマネジメントではなく人文学を専攻しているけど、実際どんな勉強をしているのか、教えてもらえる?

[そうた]

国際人文学というコースの中で、社会学、歴史、芸術、地政学など、とにかく幅広く勉強しています。

今はまだ2年生になったばかりなので、どこに自分の興味があるのか、どの教授がどんな授業をしているのか、まだまだ情報を集めながら、各学期どの授業を取るのか考えている段階です。なので、まだどの分野について卒業論文を書くか決めきれていませんし、まだまだこれから色々な授業を取ってから考えていこうと思っています。

けれど、なかなか自分の興味だけで授業を取るのも難しいです。授業を選択する時に前回受講した生徒のレビューがあるのですが、僕が取ろうとした科目で「試験で泣かされた」みたいなことが書かれていて、すごくその科目を選択するか悩んだ記憶があります。相当チャレンジングな科目であることは理解した上で、自分が描く将来のビジョンに必要な気もして、毎回の授業選択ですごく悩みながらですけど今は国際人文学を勉強しています。

 [マサ]

そうなんだね。1年生の時に1番興味をそそられた授業は何? 

 [そうた]

まだ授業は基本的に基礎なのでどの授業も新しい発見がありつつ、難しすぎないという点で面白いです。ただその中でもEmerging Africaというアフリカの発展についての授業がとても面白かったと感じています。僕はこのコースの課題でアフリカでメガスポーツイベントを開催したらどのような価値があるのかを書いて、このテーマについてディスカッションを試験で行いました。試験スタイルも含め、スポーツに絡めたトピックを選択できたこともあり、このコースは印象深いです。

  [マサ]

そうたの場合は本当に幅広くいろいろなことができることが強みだけど、そこからどこに興味を持って自分のやりたい分野に繋げていくか、考える必要があるよね。

 [そうた]

そうですね。他にも、なぜ中国のアーティストが国外に逃げたのか、みたいな授業では北京オリンピックと無理やり繋げて、その内容をテストで書いたこともあります。試験を受けて、そのことについて教授が聞いてくれるスタイルの授業もすごく多くて、それはこの大学のこのコースの強みだなと感じていて、この部分でも自分の選択に満足しています。

最近だと、Essayを書いている時期にちょうど札幌での冬季五輪招致を停止したニュースが流れてきて、「招致すればいいのに~」とバイアスがかかったことを思いながらも色々な文献を探して課題に取り組んでいました。ただ現実的に難しいことやデメリットなどをEssayで議論していく中で、それでも五輪を開催することの意味に僕自身新しく出会えたかなと思っており、この考えに至れたのもこの授業のおかげだなと思います。

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