概要
■設立年:2000年
■運営機関:CIES(The International Centre for Sports Studies、スポーツ研究国際センター)
■提携大学:デモンフォート大学(レスター/イギリス)、ボッコーニ大学(ミラノ/イタリア)、ヌーシャテル大学(ヌーシャテル/スイス)
■コース期間:10ヶ月(9月入学、7月卒業)
■募集定員:25−30名
■授業料:25,000スイスフラン (※奨学金についてはこちらのリンクへ)
■URL: 公式ホームページ
FIFAマスターの特徴
その1:10ヶ月で3ヶ国・3モジュール制覇
FIFAマスターの最大の特徴は、10ヶ月かけてレスター(イギリス)、ミラノ(イタリア)とヌーシャテル(スイス)の3ヶ国をまわり、スポーツ人文学、スポーツマネジメントとスポーツ法について勉強することだ。移動と引っ越しは少し大変だが、3つの大学のキャンパスライフを体験できるほか、それぞれの国のスポーツ文化に触れたり、スポーツ機関を訪問したり、食文化を楽しんだりなど、飽きることなく充実した生活を送ることができる。
その2:FIFAの後押し
コース名にFIFAの名前がついているだけあって、FIFAとの繋がりは強い。現職の方による講義や、FIFA本部の訪問だけでなく、FIFAマスターの学生専用のFIFAインターンシップも毎年数枠用意される。現在FIFAにはFIFAマスターの卒業生が50人近く勤務していると言われている。
その3:強固な卒業生ネットワーク
FIFAマスターの強みは間違いなく縦の繋がりの強さだ。入学直後に卒業生の中から「メンター」がアサインされ、授業や就活の相談などのサポートも充実している。また、年間を通して各都市で卒業生とネットワーキングする機会が提供される。卒業すると「FIFA Master Alumni Association」の一員になり、日頃からFacebookやWhatsAppグループで情報交換できるほか、FIFAマスター専用のポータルで卒業式の連絡先や現在地を簡単にチェックできる。また、毎年メガスポーツイベントに合わせてFIFAマスターの同窓会が開催される。
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FIFAマスター同窓会2018@モスクワ -
FIFAマスター同窓会2019@アブダビ
入学情報
◾️受験資格:
①大学を卒業済みであること
② 英語が上級レベルであること(TOEFL iBT 100点以上もしくはIELTS全項目の平均が7.5点以上)
③就労経験があること
◾️その他の評価点:
①国際感覚を有すること
②スポーツをすることだけではなく、スポーツマネジメントや組織運営の経験もしくは関心を有すること
③モチベーションが高いこと
④立ちはだかる困難に臨機応変に対応できること
⑤一般教養を備えていること
⑥グループワークが得意であること
※受験資格の詳細に関してはこちらの記事へ
◾️選考プロセス:
例年10月になるとCIESのホームページでFIFAマスターのオンライン申込書が公開される。応募締め切りまで約3ヶ月あるので、以下の手順に従って受験の準備を進めよう。
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①書類選考
まず、前述の受験資格を満たしているかどうか確認した上で以下の書類を準備・手配する:
⑴大学の卒業証明書および成績証明書(英文)
⑵高校の卒業証明書および成績証明書(英文)
⑶英語証明書
母国語が英語ではない場合、英語が上級レベルであることを証明する必要あり。推奨されているのはTOEFL iBTで、最低100点求められる。
※英語が主要言語の大学で英語が主要言語だった場合、現在英語が主要言語の会社もしくは組織で働いている場合、または配偶者/パートナーが英語ネイティブで日頃から英語でコミュニケーションを取っている場合、TOEFLもしくはIELTSを受験する必要はない。⑷推薦状
勤務先および大学からの推薦状(合計2通)を提出する必要あり。推薦状を書いていただく方の連絡先(メールアドレスおよびTEL)に加えて、なぜあなたがFIFAマスターにふさわしいのかをできるだけ詳しく記してもらうこと。なお、推薦状は英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語もしくはイタリア語で受付可能。これらの言語以外の場合は、公認翻訳士に翻訳してもらうように。⑸パスポートのコピー
コース修了日までパスポートが有効であることを証明する必要あり。⑹CV(履歴書)
英文で1-2ページ以内でまとめること。⑺GMAT/GREの結果(任意)
上記の書類を揃えた上でこちらのページ(例年10月に公開)からアカウントを作成し、個人情報、学歴、職歴、経済状況のセクションに必要事項を記入する。小論文を完成し、最後に前述の書類をアップロードし、「Submit」をクリックすれば手続き完了。応募締め切りまでに必ず提出するように! -
②スカイプ面接
書類選考を無事通過できた場合、スカイプ面接の連絡が3月上旬に届く。この段階で50人前後に絞られる。
面接ではスポーツの知識より、これまで国際的な環境で生活したり、他人と力を合わせて何かを成し遂げたりしたことがあるかなど、ソフトスキルの有無が試される。質問は「FIFAマスターで何を学びたいか」、「クラスにどのように貢献できるか」、「合格できなかった場合どうするか」など、多岐に渡る。 -
③合格発表
面接が終わってから数週間以内にメールで合格通知が届く。6月にはクラスメートの詳細が共有され、その後も事務的な連絡が続き、9月入学に向けて準備を少しずつ始めることになる。
※選考プロセスの詳細に関してはこちらの記事へ
コース内容
■概要:
FIFAマスターは「スポーツ人文学」「スポーツマネジメント」「スポーツ法」の3つのモジュールおよび卒業研究から成る。3つのモジュールは前述したようにイギリス、イタリアおよびスイスの大学で行われ、授業は各大学の教師およびスポーツ界の最前線で活躍するゲストスピーカーの講義に加えて、各国のスポーツ施設を訪問する課外授業で構成される。プログラム修了後、3大学から発行される共同修了証書を受け取る。
■課外授業の訪問先:
・イギリス:ウィンブルドン(テニス)、レスター・シティ(サッカー)、レスター・タイガーズ(ラグビー)、ローズ・クリケット・グラウンド(クリケット)、ラグビー・スクール、オールド・トラフォード(マンU)、エティハド・スタジアム(マンチェスターシティ)など
・イタリア:ベロボレー(バレーボール)、サンシーロ(ACミラン&インテル)、ユヴェントス・スタジアムなど
・スイス:国際サッカー連盟(FIFA)、欧州サッカー連盟(UEFA)、国際オリンピック委員会(IOC)、国際バレーボール連盟(FIVB)、国際馬術連盟(FEI)、国際バスケットボール連盟(FIBA)など
※学年によって訪問先が変わる可能性あり
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ウィンブルドン訪問 -
UEFA訪問
■卒業研究
FIFAマスターのファイナルプロジェクト(卒業研究)は例年個人ではなく、4−5人のグループで行われる。入学と同時にグループが発表され、クリスマス休暇までにグループメンバーと相談しながら研究テーマを決める流れとなっている。研究テーマは自由だが、基本的には話題性のあるテーマであり、FIFAマスターの三本柱であるスポーツに関する人文学、マネジメントおよび法学をカバーしている必要がある。
※過去の研究テーマはこちらのリンクより
研究テーマはグループメンバーおよび指導教官(FIFAマスター講師)と相談しながら、文献レビュー、インタビュー、アンケート、ベンチマーキング、ケーススタディなどの中から最適な研究方法を選択する。7月までに研究結果をレポートにまとめ、卒業前日に200人を超える有識者や卒業生、家族の前で30分のプレゼンテーションを行う。研究レポートの内容、プレゼンテーションの出来、そして発表後の質疑応答を踏まえて卒業研究の成績がつけられる。
卒業生の今
■卒業生数:535名(うち日本人は12名)
■出身国:106ヶ国
■就職先:88%がスポーツ界に就職
※卒業生の進路&本人インタビューはこちらより
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