高校、大学と全国トップレベルのチームで主将を経験し、社会人でも日本最高峰のリーグでプレーされていた忽那選手でしたが、その後に癌を宣告され長い闘病生活を経験されました。しかし退院後に決断したのは周囲を驚かせる、世界でも屈指のラグビー強豪国であるスコットランドへの日本人初のプロ契約への挑戦でした。
激動の人生を歩み、今も尚自らの道を進み続ける忽那選手の原点、そして体育会ラグビー部での4年間が海外挑戦にどのように繋がり活きているのか、余すことなくお届けします。
「体育会×キャリア×海外」企画第4回:忽那 健太選手へのインタビュー、スタートです。

忽那 健太さんのプロフィール

忽那 健太(クツナ・ケンタ)
愛媛県松山市出身。29歳
大学時代は筑波大学ラグビー部で主将として全国のトップレベルで活躍。
社会人では日本最高峰リーグでプレー。2021年にチームを退団後、新たなチームへ移籍途中に膀胱ガンを発症し、生死を彷徨う闘病を経験。入院生活中に命の尊さと人生の時間の有限さを感じ、一度は諦めたプロ選手をもう一度目指すと決意。強豪国スコットランドのリーグへ日本人最初の契約選手になるべく2023年4月から海を渡り、現在挑戦中。
忽那健太さんの詳細情報や各種SNSは以下のリンクからどうぞ!

・公式HP:https://kutsuna-kenta.com/
・YouTube:http://www.youtube.com/@kutsunakenta-eu1tn
・Twitter:https://twitter.com/kutsuken1994
・Instagram:https://www.instagram.com/kentakutsu.0913/

登場人物B

インタビューQ&A

筑波大学ではどのような4年間でしたか?

大学日本一になりたくて筑波大学に進んだのですが、日本一になるためにはどうすればいいかを考え続けて挑戦した4年間でした。とても充実していました。また個人としても子供からの夢であったトップリーグ(現ジャパンラグビーリーグワン)でプレーするという思いをもって練習に取り組んでいましたね。

なぜ筑波大学を選んだのでしょうか?

主に2つ理由があります。
1つは幼い頃から体育教員になりたかったので、体育学部がある大学に入りたかった。
2つ目は、その中でも僕が入る前に筑波大学は全国大会で準優勝していて、素晴らしい選手が多くいる環境だったので、自分が一番成長できると思ったためです。自分より高いところに身を置くというか、環境が大事で100%を出し続けないといけない環境に行くことでそれがスタンダードになる。それによって人は成長することができると思っています。

体育会での4年間はどのようなことを考えて行動されていましたか?

同じクラブの仲間だけでなく、積極的に違うクラブの友達と関わりを持とうと行動していましたね。様々な人と交わって、色々な話を聞いて価値観に触れることが自分の成長につながりますし、そうしたことが将来にも繋がると思っていたので。
あとはたくさん挑戦することを大事にしていました。とにかくいっぱい挑戦して失敗して学ぶことができればいいかなと思っていたので。

そのようなマインドはどのようにして育まれたものなのでしょうか?

自分の両親の教育が自分のパーソナリティを創ってくれたと思っています。こうした失敗を恐れないマインドはやはり育った環境が大きいです。そう考えると教育や、どんな人と出会って、関わって、というような周囲の環境は本当に大事ですね。いつも「あなたならできるよ」というポジティブな声をかけてくれた両親には本当に感謝しています。

大学の体育会での活動を通して学んだことで、スコットランド挑戦に活きていると感じることはありますか?

難しいですね。大学の時は海外挑戦をするなんて全く思っていなかったので、、強いてあげるなら「自分を表現すること」でしょうか。僕は自他共に認める「クセつよ」人間です。でも、こっちではちょうどいいくらいです(笑)
大学時代は周囲にスポーツや勉強が飛び抜けてできる、化け物クラスの人間がごろごろいて、生き残っていくためにも自分の強みを何かということを探して日々表現し続ける必要があったので、その経験は今に活きていると思っています。
よく言われていることかもしれないですけど、謙虚であることは日本では美徳とされていますが、こっちでは自信がないことに見えがちです。なので、いい意味でエゴを出していく。そういう部分は大学で学んだことで今に活きていることかなと思います。

忽那さんの在り方に関して伺いたいのですが、もともとそのような強い信念は持っていたのですか?それとも病気になってからそのようになったのでしょうか?
大きくは変わっていないと思います。ですが、病気を通じて幸せを感じるラインが下がったのが最も大きい変化です。
今日という一日一日を健康に過ごせること感謝できるようになりました。一回きりの人生なので後悔なく生きたい。あとは「夢中」という言葉が好きで、そういう感覚も大切にしていきたいと思っています。やはり夢中なことをやってる人って、目の輝きが違います。
そうした考え方はラグビーを通して培ったスタンス・考え方なのでしょうか?
もちろんそうですね。ラグビーいうスポーツに出会えたことが幸運だったと思っています。見たことのある方はわかると思いますが、ラグビーって痛いんですよ(笑)タックルをして、されての繰り返しで、、けれどそうする中で、転んでもただでは立ち上がらないというか、そういう所の姿勢や大切さなどを含めて本当に多くのことを学びました。
現在スコットランドでも日本人学校に携わっていられていることや、大学を選ぶ際の大事な要素であった「教育」に関して、なぜ大きな情熱を持っているのですか?
一言で言うと子供が大好きだからですかね。好きなものに理由がないというような感覚なのですが、昔から子供にもそうだし年下の人に何かできないことを手伝うとかをするのがもともと好きでした。
教員に関しては、昔から憧れていたこともあり、小学校1年生からの担任の先生方の名前も全部言えます(笑)
自分が今こうやってスコットランドで挑戦していることや、癌になったことといった命の大切さなども含めて子供たちにシェアしたいという思いを持っています。
命はいつかではなくていつでも終わるということや、大切な命の時間を何に使うかということ子供達に伝えたいです。
ご自身のスローガンである「人生、やるかめっちゃやるか」というのは、いつ頃から大事にされてきたのですか?
僕が以前所属していたラグビーチームで出会った尊敬する人から授かったものです。本当にしたいことや、わくわくすることに出会った時に必ず自分に問うようにしています。
本気でやる=めっちゃやるってイメージなのですが、何かを取り組むときには独り言のように唱えます。(笑)
人生は一度きりなので、自分の限られた命の時間を何に使っていくのかはいつも慎重に判断しています。そのような中で”やる”と決めたことは本気でやりたいんです。
周りから見たら、変な人だって思われるかもしれません。でも、僕は周りになんと言われようともやると決めたら、情熱的に、狂ってるくらいに、猛烈に取り組みます。
これからも「やるかめっちゃやるか」の言葉に恥じない人生を生きたいと思っています。
発信活動も積極的にされていますが、どのような思いでやられているのでしょうか?
「意志あるところに道ができていく」ということを発信していきたいと思っています。
YouTubeでも「挑戦し続けることの大切さ」を発信し続けていきたいです。SNSは全ての人の気持ちを共感させたり、幸せにすることはできないと思っているので、刺さってくれる人に刺さればなと思っています。
今後に関して、ビジョンや目標などはありますか?
ラグビー選手として燃え尽きたいです。プロ選手になりたい。そのこと以外考えていないです。
人としてという所では、大学院進学を考えています。教育についてもう一度1から学び直したいと考えています。教育やラグビーを通して世の中をよりハッピーにしていきたいので、これからも熱く学び続けます!!

ありがとうございました!

編集後記

YouTubeで発信されている動画やこれまでに忽那さんに関して書かれた記事を通して、大きなエネルギーに溢れた方という印象でしたが、実際にお会いしてインタビューをするとさらに想像の上を行く情熱とエネルギーに圧倒されました。

スコットランドへの挑戦にあたっては筑波大学体育会ラグビー部という日本トップレベルの環境で培った、自分の強みや個性を表現する力が今に活きているといいます。

また、インタビューを通じて、夢中になって今を生きること、日々学び続けることなど多くのメッセージを受け取ることができたかと思いますが、筆者は特に「命はいつかではなくていつでも終わるということや、大切な命の時間を何に使うか」という言葉がとても印象的です。

本企画のテーマである「体育会×キャリア×海外」における1つのロールモデルとなる、とても濃い内容になっていたかと思いますが、更に詳しく忽那選手の人生やこれまでの道のりを知りたい方は冒頭の忽那健太選手公式HPや各種SNSなどをぜひチェックしてください!

忽那選手、お忙しい中ありがとうございました!

体育会×キャリア×海外企画第4回:忽那 健太選手へのインタビュー 、いかがでしたか?今後取り上げてほしいテーマや聞いてほしい質問などありましたら、こちらのお問い合わせフォーム、またはinfo@sportglobal.jpにメールをお送りください。

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