こんにちは!SPORT GLOBALインターン4期生の渡邉夏帆と浜口颯太です。この度二人で海外大学への学部留学に着目した対談企画を行っていきます!

題して『海外大学学部留学のリアル』です!!

今回、私たちが学部留学に関する企画を始める理由は、私たちが現在海外大学に学部留学しているということもありますが、留学は大学院留学だけではない!学部留学の楽しさを伝えたい!などの思いをこの機会に紹介したいと思い、この企画を行っていきます。

渡邉夏帆(ワタナベ・ナツホ)
イギリス・スコットランド エディンバラ大学 スポーツマネジメント学部 4年
女子サッカー部Aチーム所属 ジャパンソサエティ2023-24年度キャリア担当
静岡県の私立高校でIB教育を受け、IBディプロマを利用し高校卒業後すぐに大学入学

登場人物B
浜口颯太(ハマグチ・ソウタ)
イタリア・ローマ ラ・サピエンツァ ローマ大学・国際人文学部 2年
千葉県の私立高校を卒業し、ベネチアのカフォスカリでファウンデーションコースを一年受けた後、現在のサピエンツァ大学に進学

登場人物B
<SG事務局>椙山正弘(スギヤマ・マサヒロ)
マレーシア在住、アジアサッカー連盟(AFC)勤務
スポーツマネジメント博士号(マレーシア大学)
登場人物B

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SPORT GLOBAL Podcast「海外で生きる」 シーズン4&5では、それぞれがより詳しい話をしていますのでご興味のある方は是非!
SPORT GLOBAL Podcast 「海外で生きる」シーズン4
SPORT GLOBAL Podcast 「海外で生きる」シーズン5

学部留学の準備

 [マサ]

二人とも実際に留学することを決めた経緯をもとに、準備の段階について話してもらいます。たくさん準備することがあったと思いますが、特にその中で大変だったことや力入れたことを教えてください。

 [なつほ]

私はIB試験の結果で大学受験をしたので、IBのディプロマ試験の勉強はものすごく頑張りました。

試験自体は高校3年生の11月でした。本来は二年かけてIBのディプロマコースをやるんですが、私の学校は普通の日本の私立高校だったので、高校2年の4月からディプロマコースが始まり、高校3年の11月に最終試験を受験したので、約1年半でコースを受けていました。なのでとてもタイトスケジュールで、ものすごく大変でした。また、IBの特徴の一つとして、最終試験だけで成績が決まるのではなく、課題の成績も評価対象なので、高校2. 3年生の時はずっと大変でした。他にも、学校自体も他のIB校に比べて小さいので、先生の数も少なく、選択できる科目やレベルがとても限られていました。本来ですと、興味のある教科を自分で選択できるのがIBの魅力ではあるんですが、そういったことも出来なかったです。そもそも勉強が苦手ということもあり、結構厳しい状況の中でIBをやっていたなと振り返ると思います。 なので高校2. 3年生の時は本当にずっと勉強をしていました。すごい「サッカーが好き!」ってポッドキャストや前回の記事でも話していましたが、そんな私でも高校3年生の時は夏休みからサッカーを休み、ずっと勉強をしていました。 

そしてIB試験の勉強と並行してIELTSも取らなくてはけなかったので、IB試験とIELTSを両立して勉強していたのもすごく大変で忙しかったです。

  [マサ]

ちなみにIELTSは英語の試験なので、試験の勉強をしなくてはいけないと思うけど、普段英語が喋れるからってIELTSが簡単って話じゃないんだよね。ちなみにIELTSはやってみてどうだった?

 [なつほ]

英語の試験で言うと、一時期はTOEFLとIELTSを同時にやっていたので大忙しでした。ですが、個人的にはIELTSの方が点数が取りやすく自分に向いてると思ったので、TOEFLは高校二年生の終わりぐらいに諦めてIELTSだけに集中する戦略を取りました。

IELTSとTOEFLの大きな違いの一つがスピーキングで、TOEFLはパソコンに向かって喋り、IELTSは対面で試験監督と対話するスタイルに違いがあります。

TOEFLのスピーキングはパソコンが相手なので質問と回答が時間で区切られます。質問が流れて、準備時間が数十秒設けられ、パソコンに向かって喋ります。対話形式ではなく一問一答形式でパソコンに向かって喋るので、慣れないし違和感がありました。他の受験者も同じ部屋でそれぞれ違うタイミングでリスニング試験が始まるので、例えば自分はまだリーディングやってるのに他の人はスピーキングテストが始まって喋りだすとか、試験中のディストラクションが多くて、試験の受験方法自体からTOEFLにはストレスを感じていました。

その一方でIELTSはリーディング、ライティング、リスニングを午前中に一斉に受験した後、午後や次の日にスピーキングテストを行います。一人一人スピーキング試験の時間が指定され、面接のようなインタビュー形式でスピーキングのテストを行います。午前の試験終了後からスピーキングを受験するまでに時間が空いて受験するのに丸一日かかることもありましたが、私は人と喋るスタイルがやりやすく、人と話すディスカッションスタイルの方が慣れていたので、IELTSの方が得意でした。他にも、IELTSはTOEFLに比べてリスニングが比較的簡単に感じたり、リーディングも紙ベースだったのでアノテーションを直接書き込めたり、すごくやりやすかったです。ただ、ライティングがパソコンじゃなくて手書きだったのでそこは難しかったです。やはりパソコンの方が推敲するのが楽なので、タイピングができるTOEFLの方がライティングはいいなと思います。ですが、総合的に私はIELTSの方がそもそもの自分の英語のスタイル、勉強するスタイルと相まってやりやすいなって思ったので、本当に時間がない中でその英語の試験を勉強しなきゃいけないってなった時に、高校3年になる前にIELTSは自分に向いていることに気が付き、TOEFLを早々に諦めたのは良かったなと思います。

 [マサ]

生活面での準備はどうだった?例えばフライトチケットだったり、家財道具とか生活用品だったり、あるいはお金の面だったり。

 [なつほ]

生活面だと比較的スムーズに準備ができたと思います。ですが、2020年9月入学なので、コロナの影響は受けました。なのでフライトがあるのかとか、ビザが届くのかとか、渡英する直前はとてもドタバタしていました。ビザの申請には通常以上の時間がかかり、ビザが届くのも遅かったです。航空券は本数が減ってはいたのですが、入寮日の前日に着ける飛行機がありました。でも、それを予約していたのですが、ビザが二日前まで届いていませんでした。ビザが全然できあがらなかったので、最初に取っていたフライトを変更して出発日を遅らせるつもりでしたが、ギリギリ二日前に東京のビザセンターに届いたという通知が来たので、次の日の朝にすぐ新幹線で東京に行ってビザを受け取り、実家に帰って急いで支度をし、その次の日にまた東京からイギリス行きの飛行機に乗るという…なので日本を出る直前はとても忙しかったです。

 [マサ]

次はそうた。長期的な準備から、短期的な生活面に関する準備まで、特に大変だったことはある?

[そうた]

そうですね、自分の高校はすごく頭がいい高校っていうわけでもなく、ごく普通或いは少しレベルが低いような私立の高校で、それこそ海外に進学するなんて、ほぼ前例がないみたいな感じでした。先生たちもどうしていいかわからないところから僕の海外大学への留学準備を始めたので、それこそ英文で成績や卒業証明書の用意は大変でした。たまたま留学経験がある先生がいたので、その先生に助けてもらいながら準備を進めていきましたが、それでも全然簡単ではなかったです。

 [マサ]

なるほどね。そういった準備を始めたのはいつ頃から始めたの?

 [そうた]

僕は高校二年生の冬には海外に行きたいって決めていて、「日本の大学は受験しないぞ!」くらいには思っていたので、その頃からちょっとずつ進路に関しては海外という方向に動き出していました。

だから留学の準備としては高校二年から卒業後まで、先生に手伝ってもらいながらやっていました。

そして僕は英語の試験は逆にTOEFLしか受けたことはないです。だけどその理由は単純にTOEFLの方が安かったからみたいな感じだったと思います。具体的な値段は覚えていないですが、そのような感じで、IELTSは食わず嫌いじゃないですけど、値段だけ見てやらないと決めてTOEFLを頑張っていました。たしか合計TOEFLを二、三回受験しました。

もともと優秀な方ではなかったので、英語の準備にも苦労しました。
そして、ファンデーションコースに入学するために、B1レベルの英語が必要だったのですが、取れたのが本当に直前でその後のビザ等の準備も大変でした。

Acceptされてからビザから降りたので、スタートも遅かったですし、そもそもなつほと同じように僕の時もコロナ禍だったので、ビザが降りるのも普通より時間がかかりました。僕もたしかビザがもらえたのが、飛行機の二日前とかでした。

  [マサ]

なつほは1年目の共同生活の時、コロナですごい苦労したって話をポッドキャストでしてたね。一方そうたは、準備の期間からコロナ禍だったんだ。

 [そうた]

そうですね。

留学準備として受けていたTOEFLがコロナ禍ですごい良かったなって思っています。TOEFLはもともと会場に行って受ける試験なのですが、コロナ禍のおかげで家で受験することができました。なつほが言っていたみたいな状況で受験をしていたら、多分自分にとって大きなストレスになっていたと思います。周りにインターナショナルスクールに通っていたり帰国子女だったり、そのレベルの人たちが隣で自分より早く問題解いているのを感じたり、英語のスピーキング喋っているのを聞いたりする中で試験を受けるのは絶対嫌ですね。なので、アットホームなモードの中、TOEFL会場独特の周りからのプレッシャーを感じずに受験できたのは、すごくよかったです。

部屋を綺麗にして360度部屋の状態を見せて、カンニングができない環境であることを試験前に確認されました。でもやっぱりものすごくチェックは厳しくて、不正はできないようにはなってるんですけど、部屋をビデオカメラで映して確認されて。

本来会場でやる際は持ち物を試験を受ける部屋の外のロッカーに入れたり、身体検査を試験部屋に入る前にされたり、メモ用の紙と鉛筆は試験部屋の中で支給されたり、そもそもTOEFLは受験環境が厳しいんですよね。

 [なつほ]

私の場合、高3の12月頭に一回受験して、二週間後の金曜日にスコアが出て、足りていない項目を確認して追い込みをして次の日にもう一度IELTSを受けた記憶があります。その2回の予約はすごい前にしているんですけど、一発本番試験が苦手なので、前々から予防線を張りつつ、もうこの2回で絶対に決めるって思いで2回のIELTSを予約していました。

なので高3の秋から冬は、11月にIB試験をやり、12月にIELTSを本気で仕上げ、1月にIBの試験結果が出てUCAS提出って感じでずっと忙しかったことを思い出しました。私も英語のスコアがあまり良くなく、IELTSのスコアも取るのに苦労したので、出願の最後の最後まで英語の勉強をやっていました。

 [マサ]

じゃあ最後に一個、そうたは生活面での準備はどうだった?

 [そうた]

基本的には僕もコロナの影響があったので、ビザが降りるか降りないかなっていう不安はありました。

けど当時はフライトもすごく安く、2021年の9月あたりは8万円くらいでヨーロッパと日本の往復ができました。

タイミングが良かったのかもしれないですけど、Turkish Airwaysを使っていて、7-8万ぐらいで往復ができました。なので航空券の金銭面を含めても、基本的には全部順調だった記憶があります。だけど、家探しは大変でした。

イタリアの大学の場合は寮に入る倍率が高くてなかなか入れないです。だからあの一年目に行っていたベネチアはその大学の中に不動産屋さんが入っていて、そことやり取りをしていました。ただ、イタリアらしく連絡してもやっぱり一ヶ月二ヶ月ほっとかれるのが普通でした。

そしてそろそろやばいぞっていう時にようやく返信が来て、イタリアに着いてから一週間後ぐらいはエアビとかホステルに泊まっていて、その後からシェアフラットの生活がスタートできました。なので、イタリアに着いた時は定住する場所が決まっていなかったので、家探しはすごく苦戦しました。

  [マサ]

今まで日本で生活していた人にとって、準備している段階で連絡が全然取れないと「あれ大丈夫かな?」「連絡届いているかな?」「違うところに連絡しているのかな?」なんて思うかもしれない。自分の時も、あまりにも大学から連絡が返ってこなくて「こんな大学存在しないのかな?」みたいに思うこともあったな。だから、やりとりがしにくいって部分は慣れなきゃやってられない、みたいなところは我々海外に住んでいる日本人からするとあるかもね。だからそんなにスムーズに連絡が取れない覚悟というか、そういった気持ちは準備の段階として一つ持ってるといいかもね。ここの寮が空いていない、不動産とは連絡が取りづらい、部屋を契約できないみたいな、家探し問題は意外と海外あるあるだしね。

次回:大学学部留学の授業編!乞うご期待!

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