※この記事は2021年7月8日にSPORT GLOBALメンバー秋田・辻がコロンビア大学のScott Rosner教授に行ったインタビューをもとに作成。
概要
■設立年:2006年
■運営機関:Columbia University School of Professional Studies
■場所:ニューヨーク(アメリカ合衆国)
◼️コース期間:16ヶ月(4年間のパートタイムコースも有)
◼️授業料:1単位当たり$2,346(卒業するためには36単位が必要。詳しくはこちらへ)
■URL: 公式ホームページ
コロンビア大学Master of Science in Sports Managementの特徴
その1:”In a League of Our Own” – アイビーリーグ唯一のスポーツマネジメントプログラム
アイビーリーグの中で唯一のスポーツマネジメントのコースですが、なぜコロンビア大学はスポーツマネジメントのコースを始めようと思ったのですか?
パートタイムのプログラムが始まったのは2006年だった。今後マーケットが大きくなるだろうという可能性を感じ、なぜアイビーリーグにフルタイムのプログラムがないのかという話になった。小さいところから始め、2014年にフルタイムのプログラムが始まった。我々の責任はスポーツマネジメントにおいて、他の大学より良いプログラムを提供すること。単に知識を教えるだけではなく、理論や実践の場(real world experience)を通して、スポーツ産業に人を送り出している。競争が激しい世界のスポーツ業界を見ても、我々はとてもよくやっている自負があり、質の高い学生を毎年輩出している。
その2:国際色の強いプログラム内容
我々のプログラムの強みの一つは、欧米だけでなく、世界中の学生に向けてデザインされていること。全体の30〜40%が海外からの留学生で、アジアからの学生も多く、Asian Sports Business Clubというアジア人現役生主体の組織がコロナ禍で生まれたぐらいだ。また、NFL、NBA、MLB、NHL、バイエルン・ミュンヘン、レアル・マドリード、ラ・リーガなど、グローバルなスポーツ機関とのパートナーシップにも力を入れている。
その3:誰もが憧れるニューヨークを拠点としたキャンパス
ニューヨークの魅力はスポーツ産業が自然にあること。アメリカのほかの都市に比べて、ニューヨークは国際的で大きなブランドやエージェンシーが多い。ラ・リーガ、バイエルンミュンヘンやPSGのアメリカ支社もある。これらの組織に地下鉄一本でアクセスでき、深くエンゲージできることは学生たちにとって、とても意味のあることだろう。
入学情報
受験資格
- 学部卒の学位
- レベルの高いディスカッションに不自由しない程度の英語力
※受験資格の詳細に関してはこちらへ
コロンビアを検討する場合はまず、本当に大学院に行きたいかをよく考えること。お金も時間もかかるし、新しい環境に順応する必要もあるので、大学院に行かなかった場合どういうオプションがあるかもしっかり考えること。応募することを決めたら、なぜスポーツ産業に興味あるのか、どのようにこのプログラムに貢献できるのかをしっかり説明すること。情熱があるのは前提で、我々は学生にどのような能力があり、どのようにプログラムに貢献できるのかを見ている。
必要書類
- オンライン申込書
- 推薦書2通
- 履歴書
- 中等教育後の教育機関の成績証明書
- Statement of academic purpose (750字以内)
- 補足のエッセイ(250字以内)
- ビデオエッセイ
- GREもしくはGMATのスコア
- 英語が母国語でない人はTOEFLもしくはIELTS
※必要書類の詳細に関してはこちらへ
今年はコロナもあり、応募者が例年より少なかったが、普段は700人以上の候補者がいるので、その中からプログラムに合った人を70〜75人見つけ出すのは大変な作業である。
これまで学部でどのようなことをしてきたのかと、(スポーツに限らず)どのような仕事経験をしてきたかのコンビネーションが大事だ。キャリアの成功においてどんな方向性を示していけるのか、これが成功するための鍵となる。
プログラム内容
多くの大学院が2年間のプログラムを提供している中、コロンビア大学のフルタイムコース期間は1年半なので、めちゃくちゃ忙しい。内容はスポーツビジネスの4つのセグメント(①メディア、②スポンサーシップ、③チーム、プレイヤー関連、④イベント)に分かれる。1学期目は満遍なくスポーツビジネスの一般教養を学び、2学期目以降はインターンシップをしたり、興味のある選択科目を履修したりすることができる。教師陣もスポーツビジネス界で働いている方が多いため、実務的な授業が多い。私もニューヨークを拠点としており、タイガーウッズなどを抱えているExcel Sports Managementというエージェンシーでインターンシップを行なった。私の場合は自分でインターン先に応募したが、インターンシップの斡旋をしてくれる、キャリア担当の方も大学側にいる。ただし、いくらコネクションはあっても、最終的には自分の実力や積極性が問われる。特に大学院は、大学以上にさらに自主性が求められると感じる。同じクラスにもディスカッションに積極的に参加する人もいれば、入学したことに満足している人もいたので、そこで差が生まれる。
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卒業後の進路
我々は多方面に卒業生を輩出しており、特定の業界を推奨しているわけではない。ほかの大学のスポーツマネジメントプログラムでは大学スポーツ関連の仕事に就く人が多いが、それは典型的なタイプであり、我々のプログラムにおいて適応できるものではない。コロンビア大学の卒業生は政府、国際オリンピック委員会(IOC)や国際スポーツ連盟に行く人もいる。また、起業家もいる。三年前にはなかったスポーツベッティングの世界に行く人もいるし、学生は新しいことを探しに行っている。とにかくたくさんのタイプがいる。
※コロンビア大学Master of Science in Sports Management修了生、岡本菜摘さんとのインタビューを読みたい方はこちらへ
編集後記:インタビューを終えて
ニューヨークという立地もあって、インターナショナルな印象があり、アジア人も多い模様。日本人卒業生に繋いでもらえたのが最大の収穫。ぜひお話を伺ってみたい。