プロジェクト 海外でスポーツを学ぶ現役生たち×SPORT GLOBAL
日時 2020年10月31日20時(日本時間)
参加者

現役生
・岩沢健太(イワサワ・ケンタ)、リール大学院在学(フランス)
・岡山駿(オカヤマ・シュン)、エディンバラ大学在学(イギリス)
・山岸瑶子(ヤマギシ・ヨウコ)、AISTS在学(スイス)

SG事務局
・辻翔子(MyCujoo)オランダ在住
・椙山正弘(アジアサッカー連盟)マレーシア在住
・阿部博一(アジアサッカー連盟)マレーシア在住

企画の概要説明

「海外でスポーツを学ぶ現役生たち」は、現在海外の大学または教育機関でスポーツ分野について学んでいる3人の日本人学生に、入学までの経緯、実際の学校の授業やクラス、そして日々の生活で気付いたことなどをインタビューしていく企画です。2ヶ月に1回程度の頻度でインタビューをしていき、卒業、そして就職までの道のりをリアルに追いかけていきます。

初回では以下のテーマをカバーします:

  • 学校を選んだ経緯
  • クラスメートについて
  • 女性エンパワーメントについて
  • 語学について
  • 留学費用について

SPORT GLOBALからウェルカムノート

登場人物BSG事務局

皆さん今日はお忙しいところありがとうございます。SPORT GLOBAL事務局一同楽しみにしていました。簡単に参加者の紹介をこちらからして、セッションを始めていきたいと思います。

岩沢健太(イワサワ・ケンタ)さん
登場人物A
フランスのリールにある、リール大学院に在学中です。授業はフランス語と英語で行われる環境にいます。現在在学3年目です。
岡山駿(オカヤマ・シュン)さん
登場人物B
スコットランドのエディンバラにあるエディンバラ大学の修士プログラムに在学中です。本年度入学で授業が始まったばかりです。
山岸瑤子(ヤマギシ・ヨウコ)さん
登場人物C
国際オリンピック委員会(以下、IOC)とも関わりが深いスイスのローザンヌにあるInternational Academy of Sport Science and Technology(以下、AISTS)で修士プログラムに在学中です。岡山くんと同様に、本年度入学です。

学校を選んだ経緯

岩沢健太さん(リール大学院)

登場人物A岩沢健太さん

岩沢健太です。2018年に日本体育大学を卒業して、リール大学院に入学しました。今年で3年目になります。リール大学院を選択したのは本当に偶然ですね。日本にいる時、卒業の時期が迫っても、「これがやりたい!」ということが見つからず、大学院に進学するか、どこかの学校で非常勤でもするか、と考えていました。その時にちょうどフランス大使館でのイベントに参加しました。
オリンピック・パラリンピックが開催されるときは、開催都市に、各国がPRや交流のために「ナショナルハウス」とう万国フェスティバルが開催されますが、フランスが主催するナショナルハウスである、クラブフランスのイベントがフランス大使館であったんです。
当時はそこまで流暢に英語が喋れませんでしたが、簡単な英語で担当者の人に話かけたところ、結構盛り上がって、ちょうど日本人を探していたので、リール大学院で勉強してはどうか?という話になりました。今振り返るとこれが入学面接でしたね。

登場人物BSG事務局

英語はそこそこ、フランス語も準備がないという状況で、フランスの大学に行くというのは、すごく思い切った決断ですね。

登場人物A岩沢健太さん

国際スポーツ組織で働くためには、英語の他にフランス語は大きな武器になると考えたのも理由ですね。

岡山駿さん(エディンバラ大学)

登場人物A岡山駿さん

岡山駿です。流通経済大学を卒業して、エディンバラ大学の修士プログラムに入学しました。大学卒業後に就職するイメージがいまいち湧かずにいたので、大学院留学を決めました。サッカーのプレミアリーグが一番好きなので、イングランドに留学を考えていました。ちなみに好きなチームはマンチェスターシティです。
ロンドン大学バークベック校、ラフバラ大学、エディンバラ大学を受けて、全てから合格をもらうことが出来ました。エディンバラ大学はスポーツ分野以外でも名門校として知られていて、大学としてのレベルが高かったので選択しました。
また、僕が在学するプログラムは、「Sport Policy, Management and International Development」といって、一般のスポーツマネジメントではなく、開発や政策に焦点があるところにも惹かれました。
実は、僕は大学3年生から英語を勉強し始めました。頑張れば誰でも留学出来るというのを伝えたいです。

登場人物BSG事務局

スポーツビジネスではなくて、国際開発、政策に焦点があるプログラムは珍しいですね。国際スポーツ組織のトップは弁護士の人が多いので、これにジョイントでLaw Degreeが取れるとすごく良いですね。

登場人物A岡山駿さん

スポーツマーケティングの授業でも、「倫理的に正しいのか?」という問いを考えさせられることが多くて、そこはとても「エディンバラぽい」と思います。スポーツはSocial Goodであるべきという考え方が根底にあります。

登場人物BSG事務局:阿部

ウイスキーの本場スコットランドの大学に在学中ということで、スコッチの話もいずれ聞きたいですね。

山岸瑶子さん(AISTS)

登場人物A山岸瑶子さん

小学校に入るまで親の仕事でニューヨークにいました。その後、小中高校までは日本にいて、大学はイギリスにあるラフバラ大学に進学しました。ラフバラ大学はスポーツ分野の研究機関としての施設、教授陣がとても充実していました。
ラフバラ大学を卒業しましたが、ヨーロッパのスポーツ界で残って働く自信がまだなかったので、大学院進学を模索しました。親からも、女性は結婚、出産などのライフステージで大学院に行くタイミングを見失うことがあるから、今が良いのでは?と背中を押して貰いました。
AISTSの他に、FIFAマスター、ニューヨーク大学など計4校に願書を出しました。ニューヨーク大学は、幼少期に過ごしたのと、スポーツマーケティングを学ぶならアメリカが一番という考えからです。合格をもらったプログラムの中から、結果的にAISTSに進学を決めました。
AISTSはIOCとの関わりが深いので、オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)に関する生の情報に常に触れられる環境が魅力です。
公式情報ではないですが、オリパラ開催前は雇用機会が増えるので、すぐ就職できるチャンスが比較的高いという話を聞いたことがあります。卒業後は組織委員会の仕事に就く人もいます。

登場人物BSG事務局

山岸さんは、IOCのソーシャルメディアを管理する仕事もしていますよね。

登場人物A山岸瑶子さん

SPORT GLOBALの辻さんに紹介してもらいました。ソーシャルメディアの運営ですが、現場の人達のやり取りなど、とても良い経験になっています。

クラスメートについて

登場人物A岩沢健太さん

学生の構成比は、フランス人50%、中国人45%、その他5%という感じですね。男女比は6:4ぐらいです。以前の北京オリンピック・パラリンピックの際に、中国人留学生を受け入れる流れが出来たみたで、中国人が多くなってますね。ただ、ベルギーやモロッコからの留学生もいます。
ベルギーからの留学生は、ハンドボール協会で仕事をしていた人で、彼との繋がりでソーシャルメディアのマネジメント事業をしている「Content Stadium」でインターンシップが出来る事になりました。

登場人物A岡山駿さん

クラスのサイズは100人ぐらいで、7‐8割が中国人ですね。僕以外にもう1人日本人がいて、あとはアメリカ、ルクセンブルクからも留学生がいます。
中国人の留学生が多いのは気になりますが、日本のスポーツに興味を持っている中国人もいるので、彼らからの学びもありますね。中国語も勉強してみようかなと思っています。

登場人物A山岸瑶子さん

今年は27名が入学しました。コロナの影響で例年よりは人数は少ないそうです。そのうち12名が女性です。今までで一番男女比のバランスが取れているクラスだそうです。インド人、中国人、イタリア系スイス人、イタリア人など、留学生の幅は広いです。
AISTSはアスリートが入学するケースも数多くあり、自分のクラスにはソフトボールのイタリア代表、ヨルダンの元女子サッカー代表(アンダーカテゴリー)などもいます。他にも中国のCCTVで働いていた人、アリババで働いていた人など、様々なバックグランドの人がいて刺激になります。
面白い同級生には、アフガニスタンのオリンピック委員会で働いていた26歳の女性がいます。アフガニスタンのオリンピック委員会は、新しい会長になってから女性登用を積極的にし始め、彼女は10代の頃から働いているそうです。
今年はいませんが、オリンピアン・パラリンピアンが入学する年もあります。通常1年のところを2年かけて卒業するなど、競技生活に合わせた学び方も出来るみたいです。

流れで女性エンパワーメントの話に

登場人物BSG事務局:辻

AISTSも今年女性が多いんですね。FIFAマスターも今年初めて女性の人数が男性を上回ったみたいです。

登場人物BSG事務局:阿部

企業や組織では、女性の管理職などに割当制があるところがあるけど、女性側の立場で考えると、無理矢理持ち上げられるのも、気分良くないのかなと思う。

登場人物A山岸瑶子さん

既存の仕組みが女性の進出を阻んでいるならば、割当制などのエンパワーメントも有効だと思いますが、基本的には男女平等に評価してもらう事が大事だと思います。もし男性メインの組織や仕組みがうまくいっていないなら、女性の力を借りるのも良いオプションだと思います。

流れで語学の話に

登場人物A岩沢健太さん

学校の授業は、7:3(フランス語:英語)で行われています。また日常生活ではフランス語が必要不可欠ですね。先程も触れましたが、英語とフランス語が出来るのは大きな武器になると思います。

登場人物A岡山駿さん

中国人のクラスメートが多いので、中国語を勉強しようかと思っていますが、実際はスペイン語にも興味があったりします。SPORT GLOBALの辻さんは、スペイン語も出来ますよね?

登場人物BSG事務局:辻

ラテン語派生の言語は1つマスターすると応用がきくので、スペイン語は第二外国語の一つのオプションとして良いと思います。今はフランス語も勉強しています。特にサッカーの現場ではスペイン語が重宝されていますが、国際スポーツ組織のマネジメントレベルになると、フランス語の需要の方が大きい気がします。

登場人物BSG事務局:椙山

英語の他にもう一つ言語が使いこなせるのは大きな強みになるよね。自分はマレー語を勉強しているし、阿部はアラビア語を勉強している。個人的には、使える環境がある言語を選ぶ方が学習スピードも上がるし、意義も大きいと思う。

留学費用に関して

登場人物A岩沢健太さん

今年の9月までは日本の貸与の奨学金を借りていました。あとはテレワークをしていたお陰で少し貯蓄があるので 今はそれをうまくやりくりしています。

登場人物A岡山駿さん

親に相談してサポートして貰っています。これは考え方だと思いますが、日本の私立大学の修士プログラムに2年間行くならば、イギリスは1年で修士号が取れるので、必ずしも留学が高くつくという訳ではないと思います。

登場人物A山岸瑶子さん

親に相談してサポートして貰っています。あとはIOCの仕事がわりと収入源になっていて、生活費は賄えています。アメリカの大学院だと奨学金もたくさんあるみたいです。

SPORT GLOBALからクロージング

登場人物BSG事務局

勉強になるお話が多く、とても楽しかったです。岡山くん、山岸さんは入学したばかりなので、次回は学校の様子などを更に詳しく聞きたいですね。岩沢くんからはインターンシップや就職に関する話も聞いていきたいです。次回もよろしくお願いします!

第一回目の「海外でスポーツを学ぶ現役生たち」、いかがでしたか?
今後も定期的にインタビューを発信して参りますので、今後取り上げてほしいテーマや現役生に聞いてほしい質問などありましたら、こちらのお問い合わせフォーム、またはinfo@sportglobal.jpにメールをお送りください。