プロジェクト | 海外でスポーツを学ぶ現役生たち×SPORT GLOBAL |
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日時 | 2020年11月22日20時(日本時間) |
参加者 |
現役生 SPORT GLOBAL事務局 |
企画の概要説明
「海外でスポーツを学ぶ現役生たち」は、現在海外の大学院でスポーツ分野について学んでいる日本人学生に、入学までの経緯、実際の学校の授業やクラス、そして日々の生活で気付いたことなどをインタビューしていく企画です。
サポート機能を利用して、現役生を直接サポートすることも可能ですので、良かったら以下のボタンよりご支援ください。
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現役生の基本情報
- 岩沢健太(イワサワ・ケンタ)さん
- フランスのリールにある、リール大学院に在学中です。授業はフランス語と英語で行われる環境にいます。現在在学3年目です。以下、岩沢さん。
- 山岸瑤子(ヤマギシ・ヨウコ)さん
- 国際オリンピック委員会(以下、IOC)とも関わりが深いスイスのローザンヌにあるInternational Academy of Sport Science and Technology(以下、AISTS)で修士プログラムに在学中です。岡山くんと同様に、本年度入学です。以下、山岸さん。
日本と海外の大学の授業の違い
岩沢さんと岡山さんは日本の大学を卒業してからヨーロッパに渡りましたが、日本と海外の大学はどのような点において異なると感じられましたか?
岩沢健太さん(リール大学)
日本の大学と比べて、教授と学生が一緒に授業を作り上げていく姿勢を感じますね。どう思う?と良く聞かれます。そしてその答えの一貫性、ロジックを問われます。
フランス人はこの授業スタイルに慣れているのもあって、みんなすぐに意見を出します。あまり中身がないな?と思う意見もありますが、とにかく自分の意見を主張するというのが重宝されていると感じますね。
特に欧米では、食事の時もディベートする習慣があったり、初等、中等教育システムの違いもあるので、大学の授業のスタイルも日本とは大きく違いますよね。
あと、当たり前なんですが、学生は真剣に勉強します。寝ている学生はいないです。多分寝ていたら教室から追い出されます。課題の量も日本の大学と比べて多いと思います。毎回プレゼンの課題が出る授業もあるので大変ですね。
岡山駿さん(エディンバラ大学)
今はほとんどオンラインの授業なのですが、スレッドで自分の意見を書いていくプラットフォームが授業とは別に用意されていて、やはり欧米の学生は反応が早いですね。ただアジア系の学生も、授業の発言よりはスレッドだと考えて書けるので意見はきちんと出てきます。
日本だと質問に対して正解を求められることが多いですが、海外だと周りが意見しやすい、クリティカルに批判しやすい質問や意見を敢えてしているように感じます。
海外ではアサーティブネス(Assertiveness)、意見を批判するでもなく、否定するでもなく、自分の意見を述べられる力が評価されると思う。欧米系の人たちに合わせるだけでなく、議論を収束させたり、日本人が独自に出来ることも追求していきたいよね。
コロナ禍での授業の工夫
今は大学は閉まっていますが、ゲストスピーカーのセッションだけはオンラインではなく、学校で聴講できる配慮がされています。ゲストスピーカーの人も気を遣ってくれて、LinkedInなどでメッセージを受け付けてくれています。なので、ネットワーキングの機会はコロナ禍でもあります。大学側も、まだ試行錯誤しながら色々試しているというのが現状だと思います。
あとは、週2,3日は大学に行って友人と話をする機会を意識的に作っています。
オンラインの授業がface-to-faceよりも良くなることは正直ないと思います。ただ、オンラインだと少人数でのセッションが可能になるので、意見を出す機会は多くなるというプラス面はあるかもしれないですね。
あとは、こんな状況なので、クラスメートとはきちんとコミュニケーションを取るように意識しています。1日1回は外出して大学や街の図書館で勉強するようにしています。
図書館の営業時間はどうですか?私がFIFAマスターでレスターにいたときは図書館が24時間開いていて、朝3時まで勉強している中国人のクラスメート人もいて、すごいなと思ってました。
今は朝7時から夜12時まで図書館は開いています。ただ勉強するスペースをアプリで予約する必要があって、最大4時間までしか滞在できない状況ですね。
オンラインの授業だと、チャット機能で質問したり、あとは学生のFacebookグループがあったりもするので、活用しています。仲の良い教授にはメールで質問したりもしますし、コミュニケーションを継続していくのは重要ですね。
あとは、僕も意識的に外出するようにしています。偶然を装ってクラスメートの家の前を通って、タイミングが合えばそこで色々話をしたりしますね。
3人に共通しているのは、こんな状況だからこそ意識的にコミュニケーションを取ったり、出来る範囲で外出したりする姿勢ですね。自分たちで良い学習環境を創り出すという意気込みがたくましいです。
お気に入りの勉強や休憩の場所
山岸瑤子さん(ローザンヌ/スイス)
今は家で勉強するのが多いですね。スイスのローザンヌに大学があるので、湖が見える公園でワインやビールを飲みながら仲間と話をしたりする機会もあります。フェルトシュロッセン(Feldschlösschen)というスイスのビールがおいしいです。ワイン、チーズもおいしいものがたくさんあります。
10月からコロナの影響でレストランやカフェは閉まっていて、外出も最大で5人までなので(※11月時点)、コロナ禍が落ち着き次第、お気に入りの場所を探していきます。
岡山駿さん(エディンバラ/スコットランド)
街に図書館もあるし、学部ごとに図書館があるので、そこで勉強することが多いですね。図書館だと周りで人が勉強しているので、なんかエネルギーが貰えるんです。日本にいた時から読みたかった本もたくさんあって、この機会に読んでいます。
カフェは徐々に開拓していて、J.K.ローリング氏がハリーポッターを書いていた有名なカフェがあって、そこは行きたいなと思っています。
行きました!外観が伝統的な様式でかっこ良かったです。J.K.ローリング氏が座っていた椅子もあって、観光客もたくさんいました。
ウイスキーもしっかり開拓しないとですね。どうでしょう?
阿部くん、時間押してるからやめなさい。
岩沢健太さん(リール/フランス)
勉強は家ですることが多いですね。窓が大きくて開放感があって気に入っています。外は自然な風景があるので気分よく勉強できます。
あとは、リールからパリは電車で1時間ぐらいなんですが、この間に勉強するテーマを決めて集中して勉強するっていうのをよくやります。勝手にリール⇄パリトライアルと呼んでいます。
お気に入りのカフェは、リール駅の隣にあるカフェですね。ここの店員さんとは顔見知りで、気さくに話しかけてくれます。僕は子供の頃から電車が好きで、カフェから駅構内の電光掲示板を眺めているのも好きです。ここのカフェオレはとてもおいしいです。
フランス人はビールをよく飲みますね。リール大学では、学年ごとに行きつけのBARが決まっていて、おいしいビールが飲めるのが重要なポイントになっています。個人的にはトリプル・カルメリート(Tripel Karmeliet)というベルギーのビールが好きです。
SPORT GLOBALからのクロージング
コロナ禍の状況でも、自分から機会を探して動いていたり、ヨーロッパの街を満喫していたり、本当にたくましい!という言葉が合う3人ですね。今回は他にも「1日のルーティーン」なんかも聞く予定だったのですが、時間が足りず、次回以降に持ち越しです。また2ヶ月程度のインターバルを目途にセッションを開催します。
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第二回目の現役生インタビュー、いかがでしたか?
今後も定期的にインタビューを発信して参りますので、今後取り上げてほしいテーマや現役生に聞いてほしい質問などありましたら、こちらのお問い合わせフォーム、またはinfo@sportglobal.jpにメールをお送りください。