Times Higher Educationが発表しているランキングなど、一般的な世界の大学ランキングはいくつかあるが、スポーツビジネスに特化した大学ランキングは数多くない。そんな中、SportBusiness*はSportBusiness Review**を通じて「スポーツビジネス大学院ランキング」を毎年発表している。
※2020年のランキングはこちらをご参照ください。

 2021年のトップ10及びSPORT GLOBALで取り上げているプログラムは以下の通りだ。今年もOhio Universityが首位の座をキープした。細かな順位変動がある中、University of South FloridaThe Ohio State Universityの躍進が目立つ。全体的には、アメリカの大学の健闘が印象的だ。そんな中でも、国際スポーツ機関が運営するFIFA MasterAISTSのプログラムは、絶対的な地位を築いているようだ。

 SportBusinessランキングを見ると、大きく3つのカテゴリーが浮かび上がる。それぞれに特徴があるので、自身のニーズと照らし合わせてプログラムを選ぶ必要がある。

  1. CIES(FIFAマスター)AISTS (国際オリンピック委員会所管)Real Madrid Graduate School(レアル・マドリード大学院)など、スポーツ組織を母体とするプログラム
  2. Columbia University(コロンビア大学)George Washington University(ジョージ・ワシントン大学)など、世界的に知られている名門大学
  3. Ohio University(オハイオ大学)University of Massachusetts Amherst(マサチューセッツ大学アマースト校)など、スポーツビジネスに独自の強みを発揮する大学

他の世界ランキング同様、「欧米バイアス」があるのは間違いないが、2020年に引き続き、アジア・日本のプログラムはトップ10はおろか、トップ40にすら1つもランクインしていないのが現状である。

 2021年のランキングから、卒業後の平均年収データも公開されたので、参考までに掲載したい。アメリカのトップビジネススクールの卒業後の平均年収USD170,150(U.S. News & World Report 2022)をベンチマークすると、スポーツビジネス修士プログラムの卒業後の平均年収USD 84,593は半分以下だ。これはスポーツビジネスのマーケット規模や、スポーツビジネスの公共財という一面を反映した結果かもしれない。

 また、2021年のランキングから、理想の就職先に関するアンケートの結果が掲載されている。1位がNCAA(全米大学スポーツ協会)またはNCAA加盟大学というのは非常に興味深い。アメリカの大学スポーツが、ビジネスとして成り立っており、優秀な人材を惹きつけているのがわかる。2位以下は、NBA(アメリカプロバスケットボール協会)、EPL(プレミアリーグ)など、メジャースポーツの協会やクラブが魅力的な就職先としてランクインしている。スポーツ系国際機関である、IOC(国際オリンピック委員会)FIFA(国際サッカー連盟)もランクインしている。

 ランキングの評価項目は以下の通り。アンケート形式で実施される学生からの評価に最も大きなウエイトが与えられており、卒業後の雇用状況も重視されている。入学難易度ではなく、学生満足度、卒業後の進路(就業)に焦点が当てられている。2021年のランキングでは、計算手法に微修正が加えられ(黄色ハイライト)、志望倍率が新たに導入され、卒業後の平均年収により重きがおかれた。

*SportBusiness
SportBusinessは、ロンドンに拠点を置くスポーツメディア・コンサルティング会社である。1996年の設立以来、グローバルレベルでスポーツビジネスニュース、データ、分析、コンサルティングサービス等を提供してきた。本社はロンドンにあるが、アメリカやシンガポールにもオフィスを持っており、世界中のスポーツビジネスの情報を蓄積、分析、アップデートしている。
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**SportBusiness Review
SportBusiness Reviewは、SportBusinessが月刊発行しているスポーツビジネスの専門誌だ。ハーバードビジネスレビュー、エコノミストなどの、スポーツビジネス版と考えるとわかりやすい。スポーツビジネス分野においてパイオニア的な専門誌である。

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